エンターテイメント情報

　まずレストラン名の「Chipotle/チポレ」はメキシコ料理は欠かせない燻製唐辛子のことで、そのロゴの中心になっている。移民が多いというのが大きな理由だが、アメリカでは、給食のメニューにまで取り込まれるほど浸透しており、すでに一般家庭の定番の域に達しているメキシコ料理。それゆえアメリカでは、バーガー系ファストフードに次ぐと言われる程、メキシカン系ファストフード・レストランも数多い。

　その、数あるメキシカン・ファストフードの中でも「Chipotle/チポレ」は初出店から、わずか20年足らずの新参者。とは言うものの、その急成長ぶりには目を見張るものがある。始まりは創始者であるスティーブ・エルズが、レストランの専門学校を終了して間もない20代半ば当時に構えた、コロラド州デンバーの街角にある小さなアイスクリームショップだった。黒字経営のためには一日百個の売り上げが必要と踏んでいたが、今やチポレの名物、アルミ箔に包まれた具沢山のブリトーが予想外の利益を生み出すことに。その実、開店からわずか1ヶ月で1日千個の売り上げるようになった。ここから勢いを得て、2店舗目3店舗目のオープンを決める。そして、初出店からわずか5年後の1998年、店舗数が16件を数える頃、マクドナルド・コーポレーションが投資を決め、この後押しによって、爆発的に店舗数を伸ばすことになる。その後も食材にこだわることで、他のメキシカン・ファストフードとの差別化を図ったのが功を奏し、折りからのヘルシー＆ナチュラル志向の波にもうまく乗り、着実に店舗数を伸ばしてきた。ついにはカナダ、イギリスにも進出を果たし、現在は1,200件を突破、新店舗の開店も続々と予定されている。

　基本メニューはブリトー、タコス、サラダの3品。具材としてチキン、ビーフ、ポーク、またはベジタリアンの中から好きなものを選ぶ。人気の秘密はメニューのシンプルさとチポレのモットーでもある「食材へのこだわり」。メニュー数が少ないのも、食材へのこだわりがブレないようにするためなのだという。今でも可能な限り、次々と使用する食材もオーガニックのものに切り替えられている。厳密に表現するとチポレは単なるファストフードではなく、ファスト・カジュアルフードに分類され、その場で各自の好みによって具や辛さをチョイスするカフェテリア方式。サンドイッチのチェーンである「サブウェイ」などと同様の形式をとっている。また、こだわりはキッズメニューにも。プレート上で具材がしきられ、子供達が自分で好きなようにアレンジして食べられるようになっており、工作感覚で食事を楽しめると人気。またファストフードには珍しくアルコール類（ビール、マルガリータの2種）が楽しめるのも特色となっている。店内も温もりの感じられる木目の多いシンプル＆ナチュラルなインテリアの店が多く、おしゃれな造りで、ファストフードよりカフェに近い雰囲気といえるかもしれない。

　 　現在では、食材である自然飼育の養豚や養鶏にもかかわり、また2004年からはファッション＆雑貨ショップ展開も開始。100%オーガニックコットンを使用したデザインＴシャツやベビー/キッズ服、また雑貨類はトートバッグからスケートボードの板まで販売している。