約3700万人と言われるラスベガスの年間観光客数。しかしそのすべてがギャンブルやエンターテイメントを楽しみに来る、いわばバケーション目的とは限らない。ラスベガスコンベンションセンターやサンズ、マンダレイベイといった各種大規模会議施設を使ったコンベンション、つまり会議や見本市等の開催でこの街を訪れる人が年間450万人もいる。
コンベンションといっても数十人程度の小規模なものから十万人を超える大規模なものまで年間600以上がラスベガスで開催されており、各業種、業界の様々なコンベンションが常に街のどこかで催されているといっていい。そんな中で集客数最大のコンベンションがCESことConsumer Electronics Show、家電見本市だ。このイベントだけでべガスの街に14万人もの関係者が押し寄せる。ここで「関係者」と書いたのは、このイベントが一般公開ではなく、業界関係者のみに公開されるものであるからだ。よって様々な新製品が紹介されるイベント内容は家電好きにはぜひ見に行ってみたいところだが、一般人は入場できないので、ご注意。
日本語の通称「セス」ことCESは、全米家電協会(CEA:Consumer Electronics Association)が1967年から年1回開催している、家電・情報・通信・電気製品全般に関する総合展示会であり、2700社を超える企業が参加するアメリカ最大にして世界最大級の展示会である。世界140カ国から参加が見込まれ、新製品や新技術が2万件も紹介されるという。今では一般的なった家電製品の多くが、この展示会で初めて公開されており、業界関係者にとっては注目のイベントなのである。
今年の会期は1月10日(火0から1月13日(金)までの4日間。場所はラスベガスコンベンションセンターを主としてLVH(元ラスベガスヒルトン)やベネチアン・ラスベガスの会場も使用される予定。
具体的に紹介される製品群は、アクセサリ、オーディオ ハードウェアとソフトウェア、ブランクメディア、ブルートゥース技術、ブロードバンド技術、コンピュータ ハードウェアとソフトウェア、 デジタルカー、デジタル ハリウッド、デジタルTV/HDTV、Eコマース、電子ゲーム、GPS、ハンドヘルド情報機器、高性能オーディオ、家庭電化製品、 ホーム/パーソナル ヘルスケア、ホームセキュリティとオートメーション、ホームシアター/カスタム インストレーション、インターネット アプリケーションとサービス、 モバイル電子機器、MP3/インターネット オーディオ、パーソナル電子機器、写真/デジタル イメージング、小売リソース、ロボット工学、衛星システム、SOHO、音声技術、 テレマティックスとカーナビ、テレフォニー装置、ビデオ ハードウェアとソフトウェア、Wi-Fi技術、ワイヤレス/モバイル通信などなど。ただし、繰り返すが入場制限があり、18歳以上の業界関係者のみ入場可能となっているので観光客の方が興味本位で入場することは出来ない。
これまでにビデオカセット(1970)、レーザーディスク(1974)、コンパクトディスクプレイヤー(1981)、テトリス(1988)、DVD(1996)、HDTV(1998)、プラズマTV(2001)、XBox(2001)、ブルーレイDVD(2003)、3D HDTV(2009)などもみなこのイベントでデビューしてきた。
イベント自体が一般公開ではないため、宣伝的な告知が少なく、また新製品や新技術もイベント当日に発表するサプライズショーであるため今年の目玉となるものは具体的には不明だが、様々な新型テレビが発表されるのではないかと予測されている。インターネット機能搭載や、より薄型、より大型、より鮮明な画像など、今後の主流を担うテレビが数多く登場するものと思われる。コンピュータ関連では、インテルが開発した薄型軽量ノートブック「ウルトラブック」も発表の予定。東芝やレノボなどから今年1000ドルを切る製品が販売されるらしい。これ以外にも一般家庭内で使われる家電としてより便利で高機能な製品が数多く発表されることが期待でき、今後のニュースにも注目したい。
さて、コンベンションの街ラスベガスといえども10万人を超える来場者のイベントとなると数えるほどしかなく、その中でも最大な14万人の来場者を誇るCESの開催期間中は、べガスのホテル/モーテルの総客室数が約15万室弱なので、一人一部屋利用となればまさに満室となってしまい、他の観光客の泊まる部屋がないどころか、あっても料金が高額になってしまったり、レストランや娯楽施設等も満席が増えるため注意が必要。
コンベンション名 | CES: Consumer Electronics Show 家電見本市 |
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開催場所 | ラスベガス・コンベンションセンター LVH(旧ラスベガスヒルトン) ベネチアン・ラスベガスなど |
2012年開催期間 | 2012年1月10日-13日 |
大会主催者サイト | http://www.cesweb.org/ |