ラスベガスのシルクドゥソレイユ

　2010年はニューオーリンズ、2011年はシカゴと毎年開催場所が異なるこのエキスポ。今年はラスベガスで催されることになったが、ベガスの飲食業界は既に異例の盛り上がりを見せている。年間延べ3800万人の観光客が訪れるラスベガス。24時間稼業の街でもあり、彼ら観光客の食事を担う、その飲食業界となるとその規模たるや、もはや計り知れないほどであろう。ギャンブルの街が表向きの顔であるとしたら、それを支える飲食業界は縁の下の力持ちといったところ。一流シェフやセレブらがプロデュースする鳴り物入りのレストランも後を絶たず新規オープンしているが、そのような話題の的となるレストランの影で、多くのレストランが廃業の憂き目に合っているのもまた事実。ギャンブル収入に次ぐといわれるベガスの飲食業界は、その競合も厳しく生き残りに必死である。

　このエキスポはそういった飲食業界の今後を考え、支援するといった目的で催され、今回は900件以上の業者による食材から調理器具/機器、パッケージ、ディスプレイ類等の新商品展示から、持ち寄ったアイデアや情報を交わす数々のセッション、その道のスペシャリストを招いてのブレないマーケティング/リサーチ法、効果的な広告の打ち方、競合店とのサービスの差別化、ソーシャルネットワークや口コミサイト等を有効利用して集客率増加を図る方法といったビジネス戦略、料理に関しては香りや味付け、新作ドリンク、また食の進む食器の配色といった化学的アプローチをも追求した興味深いセミナー等が催される。中には低塩、低オイル料理、ベジタリアン向け、キッズメニュー等といった一部に特化した食に関する展示や試食、また食の安全性が叫ばれている近年、オーガニック食材には特に注目が集まっている。　また爆発的な急成長を遂げ、今や世界に名を馳せるスターバックスのカリスマ経営者ハワード・シュルツによる「革新の重要性」と題されたセッションが講じられると報道されたため、開催前にもかかわらず、既に話題となっている。セッションは26日午前8時半から開始予定。全米でも格別にシビアと言われるベガスの飲食業界の飽くなき挑戦に終わりはない。

　

　ビートルズの事を知らない人、彼らの音楽を聴いた事のない人はいない。と言っても過言ではないほど今でも世界中で支持され続けている伝説的なバンド　ビートルズ。そんな世界言語ともなっている彼らの音楽でシルクドゥソレイユのパフォーマーが踊り、飛び跳ね、回って、滑る。ビートルズが大好きな人にはなんともたまらない作品に仕上がっている。

シルクドゥソレイユ独特のセリフを使用しないストーリー展開が少し解り難くはあるものの、幼少期のジョン・レノン扮する男の子が登場し、恵まれなかった家庭環境、受け入れられない母親の死を回想するシーンがあったりとビートルズの結成から解散、メンバーの心情をシルクドゥソレイユならではの世界観で作り上げた傑作。

　勿論シルクドゥソレイユのファンにとっても必見の一作で『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』や『レット・イット・ビー』、『イエスタデー』など誰もが一度は耳にした事がある名曲に合わせて繰り広げられるシルクドゥソレイユ特有のファンタジーの世界は改めてビートルズの偉大さ、そしてシルクドゥソレイユの世界観にため息が漏れるばかり。ラスベガスでも入手が困難なショーの一つとして知られ、ビートルズ、シルクドゥソレイユのファンには必見の一作となっている。

　ラスベガスで公演されているシルクドゥソレイユのショーの中で唯一アジアをテーマにしたショーがこちらのKa/カー。日本人のバトントワラー高橋典子さんと高見亜梨彩さんが準主役として出演している事もあり、日本人にも大変人気がある作品。また、O(オー)などと比べてストーリー性がはっきりしている為、小さなお子様やシルクドゥソレイユ初体験の方でも楽しみやすい作品に仕上がっている。

　 ある日、平穏に暮らしていた王国が邪悪な集団によって襲撃され、家族、友人、仲間はみなバラバラに。仲間を助け王国の平穏な生活を取り戻する為に旅にでるが・・・ 3Dで繰り広げられる圧巻の戦闘シーン、生のオーケストラならではの臨場感のある演奏で繰り広げられる感動のストーリー。

　 カーの劇場はシルクドゥソレイユの劇場の中でも最もお金が賭けられており、その額は日本円にして凡そ220億円!!
舞台が回転したり、斜めになったり、更には人が舞台から落下したり・・・と立体で繰広げられる空間演出はまるで映画を見ているかのような錯覚に陥る、その巨大なスケールはラスベガスならでは。数多くあるシルクドゥソレイユの作品の中でも、決してこればかりは他の劇場では観る事が出来ないラスベガスにきたら"Must see"の大作。

　

　ラスベガスでシルクドゥソレイユを成功に導いたといっても過言ではないこのオーは同じくシルク･ドゥ･ソレイユのミスティアも手掛け、その他にもセリーヌ･ディオンのラスベガス公演やWynnにて公演されているルレーヴなど数々の大作を手掛けてきたフランコ・ドラゴーニュ氏の作品。1998年に現在の劇場でもあるベラージオホテルで開演して以来ラスベガスで最も手配が難しいショーでもあり、日本人にも最も人気のあるショー。

　「ラスベガスに来たらオー」と、まで言われる程ラスベガスのシンボル的なショーになっている作品で全世界で公演を行っているシルク･ドゥ･ソレイユのショーの中でも最も人気があるショー。

　O/オーとはフランス語で水を意味しており、その名の通り水をテーマにシルクドゥソレイユならではの幻想的な世界観と壮大なファンタジーを世界屈指のパフォーマー達が繰り広げる超大作。凡そ100億円を投じて建設されたとも言われる特設ステージは550万リットルもの水を有する巨大なプールになっており、劇場に一歩はいればそこはラスベガスでしか味わうことの出来ない非現実的な世界が待ち受けている。数あるシルクドゥソレイユの作品のなかでも最も芸術性の高い作品。