1984年に設立されたAFAギャラリー/AFA Galleryは、ニューヨークのソーホーを拠点に、ラスベガス、ニューオーリンズ、フランスにも支店を置くインターナショナルなギャラリー。AFAがフィーチャーするのは一般受けするアーティストではなく、コンセプチュアルアートや前衛的なアーティストが主となっている。「知る人ぞ知る」的なかなりマニアックなアーティスト達であるがゆえに、一部の熱狂的なファンからの支持は篤い。フィーチャーされるアーティストの中には映画監督ティム・バートンの名前も見られる。
現在、ラスベガスのファッションショー・モールのAFAでは、オノ・ヨーコが社長を務める『ザ・バッグワン・アーツ/ the Bag One Arts』のプログラムを通じ、ジョン・レノンの直筆の作品を再現したリミテッド・バージョンを2015年5月まで無料で展示中。「人類愛」と「コミュニケーション」を2大テーマとするジョン・レノンの作品類は、決して精緻とは言えず、その辺にある紙にその場の雰囲気でさっと描きあげたような軽妙な筆致だが、そこに描かれていないものまで見えてくるような想像をかき立てる何かがある。ノートの片隅に描いた手遊びのような自画像は彼自身のアイコンとしてCMやポスターなどで多用されているため、目にしたことがあるかもしれない。
展示される作品は、彼の残された貴重なスケッチから厳選されたものであり、保管芸術品専用の特別な処理を施して再現したもの。さらにオノ・ヨーコによって承認された上で、その印としてジョンの落款と彼女の直筆の署名が入っている。 作品のひとつ『ザ・シティ・イン・マイ・ハート(エッフェル塔)/ The City In My Heart (Eiffel Tower)』は、ジョンとヨーコの新婚旅行先のパリで、ロマンティックな思い出として旅行中に描かれたものである。
ジョン・レノンがビートルズのメンバーであることは周知の事実だが、実はリバプールの名門美術学校に3年ほど通っていた過去がある。余談だが、最初の妻と知り合ったのもその美術学校である。彼は絵を詩や哲学、芸術にも造詣が深い根っからの『アーティスト』であり、やはりアーティストであるオノ・ヨーコを伴侶としてからは、音楽だけではなく、絵画や詩などを通じて『愛と平和/Love and Peace』をより精力的に人々に訴え続けるようになった。
作品は1964年から1980年にかけて描かれたもので、その他、彼の名曲『ハッピー・クリスマス(戦争は終った)/ Happy Xmas (War Is Over)』にちなんで描かれた『ハッピー・クリスマス』、太った裕福そうな女性に引き止められる自身の姿をウィットに富んだ視点で描いた『アイム・ワン・オブ・ユア・ビッゲスト・ファンズ/I'm One of Your Biggest Fans』など、芸術家としてのジョン・レノンの素晴らしい軌跡を垣間見ることのできる貴重な展示となる。
ギャラリー名 | AFA Gallery of Las Vegas AFAギャラリー、ラスベガス店 |
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場所 | Fashion Show Mall ファッションショー・モール |
住所 | 3200 Las Vegas Blvd. South, Suite #1040 Las Vegas, NV 89109 (1階、Microsoftの隣り) |
Tel | (702) 785-0061 |
入場料 | 無料 |
こんな方にGood! | ・アートが好きな方 ・美術館めぐりに ・ちょっとした時間つぶしに |